【簡略図】
【背景】
白金は触媒として高い機能を発現しますが、希少金属のため、白金レス・白金使用量低減など、原料費を少なくして低コストにしたまま機能を発現することが求められています。
本技術では、リユース・リデュース・リサイクル性に優れた新しい白金触媒担持方法をご提案します。
【技術内容】
シート担持型白金触媒です。原理は以下の通りです。粉末状ではなく、シートへ金属触媒を担持させる点が、既存技術と大きく異なります。
1)白金族イオン(白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウムまたはレニウム)を含む溶液を作る。
2)上記の溶液へ、シートを浸し、溶液を染みこませる、あるいは表面へ吸着させる。
3)溶液を染みこませた、あるいは吸着させたシートを、水素ガス雰囲気下に入れる。
4)シート内部・表面部に、白金触媒ができる。
シートは金属・カーボン状・不織布などが活用可能です。金属の場合は、メッキの技術概念を応用して表面部へ吸着させることが可能です。
【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
既存の白金触媒に対する優位性は以下の通りです。
1)繰り返し利用が可能(リユース)、
-通常、白金触媒の形状は粉末型であり、反応後は濾紙やセライト等、フィルターを通して除去する必要があり、毎回使いきりです。本技術では粉末型ではなくシート状であり、除去する必要はありません。そのため失活するまで繰り返し利用することが可能です。
2)触媒使用量の低減(リデュース)、
-触媒表面積の厚みは、担体の厚みに依存します。担体の厚みを薄くした場合、触媒使用量に対して表面積が稼げるため、少量の触媒使用量でも十分な触媒効果が得られます。
3)回収・再活性化が容易(リサイクル)、
-触媒がシートに固定されていることから、回収と失活後の再活性化(白金を含む溶液に再度つける)が容易です。
4)量産が容易
-シートに溶液を浸透させて水素ガス中に保持するのみの簡易工程です。
-シートに吸収させる溶液の濃度・量で担持触媒量を簡単に制御可能です。
-特殊な装置は必要ありません。
5)耐久性
-表面が被毒しなければ耐久性は十分です。 シート内部への浸透、あるいは表面吸着力は十分です。
6)低価格
-3R(リユース・リデュース、リサイクル)が可能なこと、量産が容易なため、安価です。
【連携企業のイメージ】
本技術の実用化を希望する企業を歓迎します。
例えば、以下の企業へご提案が可能です。
1)白金触媒を開発・販売している企業。
2)白金触媒の活用に意欲がある企業。
3)他、貴金属の触媒を開発・販売している企業。
【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
白金触媒が使用されている様々な用途に適用可能です。
例えば下記の用途に適用可能です。
1)自動車の排気ガス浄化触媒
2)燃料電池用白金触媒
3)白金が使用されている用途
また、本技術は白金以外の材料にも適用可能性があり、パラジウム(Pd)については既に試作が出来ています。本技術の他触媒への応用を希望する企業も歓迎します。
【技術・ノウハウの活用の流れ】
試作品は既に出来ています。お問合せ後、技術面談にて詳しい技術内容をご説明させていただきます。また、本テーマに限らず、有機合成や触媒に関する技術相談にも対応可能です。
【専門用語の解説】
【白金触媒】
主に車の排気ガス浄化用に利用されています.排気ガスは,有害な各種ガスを含み、濃度・温度が様々に変化しますが、排ガス中のNOx は酸化雰囲気では白金触媒上で酸化され、還元 雰囲気では、白金触媒上で還元ガス(CO,HC など)と反応し、窒素に還元されます。白金触媒上での酸化と還元を行うことにより、有害な NOx,CO,HC を無害な物質にして浄化しています。また、最近では燃料電池用の触媒としても多用されています。