【簡略図】
【背景】
無電極ランプはその名の通り、電極を持たないランプです。電極を持たないため点灯を繰り返しても消耗がなく、寿命が非常に長いことが特長です。
無電極ランプは電磁波電界を内部に形成して発光する放電ランプですが、発光の際に導入される電磁波(マイクロ波)が外部に漏えいする、管長が短い(短尺である)と発光効率が低いなど、様々な課題が残っていました。
本技術は、マイクロ波放電による発光ですが、マイクロ波の漏えいがほとんどなく、したがって、周辺機器への電磁的な影響もありません。同じくコンパクトな当社の2.45GHzマイクロ波発振器との組み合わせにより、小型かつ比較的安価で、低消費電力・長寿命な殺菌消毒システムを構成できます。本製品の導入や応用を希望する企業を歓迎します。
なお、株式会社プラズマアプリケーションズは静岡大学(旧)電子科学研究科 神藤 正士名誉教授が立ち上げた大学発ベンチャー企業です。本製品は、東京計器株式会社(本社:東京都大田区)との共同研究により、平成27年度、28年度NEDO委託事業の研究成果を製品化したものです。
【技術内容】
開発した紫外線発光無電極ランプは、管状の金属メッシュ部材を内部に設けるなどの設計により、
・低電力マイクロ波(5W~10W)で点灯
・短尺(長さ5cm~15cm)でもUV-C発光効率が高い(~200mW/cm)
・マイクロ波漏えいがない
・ランプにおける無発光部分がない
という特長を実現しています。
発光スペクトルは以下の通りです。なお、下図に示すようにオゾン発生波長域に発光のあるオゾン発生タイプ(右:185nmがオゾン生成)とオゾン発生のないオゾンレスタイプがあります。
いずれのタイプも高い殺菌性能を示します。
寸法などが異なるいくつかの製品があります。
【技術・ノウハウの強み(新規性、優位性、有用性)】
本技術の特徴は以下の通りです。
1)低電力マイクロ波(5W~10W)でも点灯可能。
2)短尺(長さ5cm~15cm)でもUV-C発光効率が高い(~200mW/cm)。
3)殺菌効果が高い。
例)指標菌(Escherichia Coli:大腸菌、Bacillus Subtilis:枯草菌)を 混ぜた 5Lの水を10秒間のUV-C照射で99.9%以上を殺菌
4)マイクロ波漏えいがなく、オゾンレスタイプではオゾン発生がない。
5)長寿命。
このため、小型軽量で持ち運びが容易であり、狭い箇所・空間まで満遍なく殺菌することができます。医療・介護・飲食などの産業での利用が期待できます。
【連携企業のイメージ】
本装置の導入や本技術の応用を希望する企業を歓迎します。例えば下記の企業等と連携可能です。
1)医療・介護に関わる企業・病院・研究機関で、
下記などの用途活用などに関心がある方
・床に吐かれた吐しゃ物やベッド・リネンなどの殺菌処理
・病室、手術室、救急車やドクターカー等の内部の自動殺菌(本製品を複数、室内・車内に配置し無影状態で点灯することで迅速な室内・車内殺菌が可能)
2)飲食に関わる企業で、下記などの用途活用などに関心がある方
・飲食店内や食卓・調理台・調理器具、食品工場などの殺菌処理
・狭隘空間(食糧保管庫、便器等)の殺菌
・容器、水や溶液の高速殺菌(2Lペットボトル溶液で数秒以下)
3)その他、本技術を元にした事業展開へ意欲のある企業。
【技術・ノウハウの活用シーン(イメージ)】
【応用例1】ペットボトル等の容器の殺菌システム構成例(寸法単位:mm)
【応用例2】可搬型水殺菌装置(寸法単位:mm)
【応用例3】可搬型表面殺菌装置(寸法単位:mm)
本装置を対象物表面から1cm浮かしながら、秒速2.5cmで掃引することにより、UV-Cランプに暴露した対象物表面の大腸菌を99.9%以上殺菌できます。
【技術・ノウハウの活用の流れ】
用途に応じた殺菌装置の製作委託も対応可能です。技術の詳細なご説明もいたします。用途についても、お気軽にお問合せくださいませ。
【専門用語の解説】
【UV-C】
紫外線C波です。紫外線のうち、近紫外にはUV-A(紫外線A波:315~380nm。日光による肌老化の原因)、UV-B(紫外線B波:280~315nm。日光による日焼けの原因)、UV-C(紫外線C波:200~280nm)があり、UV-Cには強い殺菌効果もあります。