なぜなに産学官連携

産学官連携の基礎知識大学・研究機関情報

大学研究者の年間スケジュールのモデルケース(目安)

大学との共同研究/委託研究などを行う場合、研究スケジュールの策定・適当な間隔での進捗管理が重要です。

その際、企業側も大学研究者の年間スケジュールの目安をおよそ把握しておくと適正な計画立て・円滑な交流を図る上では良いのですが、多忙な時期は実際のところまちまちです。

そして、大学研究者の多くは多忙です。とはいえ、おおよその多忙さに関わる要素を把握しておくとスムーズになります(個別の共同研究/委託研究などを行う際に研究者とスケジュール感をよくヒアリング・相談をしておくとベターです)。

一つのモデルケースとして下記を挙げます。考慮すべきファクターの目安の一例としてご参考くださいませ。
※実際には大学や研究室によって授業の時期・コマ数や配属する学生数、学内での委員会対応など変わります。

※学会の大会・研究発表の時期も学会ごとに異なります。

※学生の研究室配属時期も4年次からのケースもあれば、1~3年次のケースもあります。下記のモデルケースは4年生での研究室配属を前提としています。

※学生の就職指導やゼミ運営も研究室ごとにスタンスが大きく変わります。

年間スケジュールのモデルケース

■3月~6月ごろ:公的事業の申請時期(第1次公募など)
→ 一般的に通常国会で予算が成立する時期を目途に各種省庁/公的機関等から多数の公募が行われます。

→ 公募開始からおよそ1か月程度の間に申請書の作成・申請を行います。

■4月~6月ごろ:研究室配属学生の研究準備、研究テーマ設定、就職指導
→ 研究室に多数の学生が配属され、研究環境の準備、研究テーマ設定を行うとともに必要に応じて配属した学生への就職指導を行います。

→ 研究テーマの設定は夏・秋までかけて行うこともあります。

■4月~7月ごろ:前期授業の対応
→ 大学によって時期は前後しますが、授業のガイダンス・準備・実施に多くの時間を要します。

→ 6月~7月ごろは科目によっては試験対応があります。

■6月~10月ごろ:学会発表シーズン
→ 様々な学会の大会があり、論文発表を行います。

■8月~9月ごろ:公的事業の申請時期(第2次公募など)
→ 第1次公募ほどの公募数ではありませんが、第2次公募への申請を行う機会が出てきます。

■9月~2月ごろ:後期授業の対応
→ 大学によって時期は前後しますが、授業のガイダンス・準備・実施に多くの時間を要します。
→ 1月・2月ごろは科目によっては試験対応があります。

■12月~2月ごろ:卒業論文・修士論文のまとめ、発表指導

→ 配属した学生の論文の取り纏め、発表指導を細かく行います。

■4月~1月ごろ:研究室の配属学生への研究指導・ゼミ対応
→ 学部生・院生等への研究指導は通年を通じて行います。2月ごろの卒論発表・修論発表後は学部生への指導は無くなりますが院生等への指導は継続して行います。

■1月~2月ごろ:入試対応
→ 大学によって入試時期は前後しますが、入試対応(準備及び当日の運営)は多くの教職員が関わります。

■2月~3月ごろ:学会発表シーズン / 採択を受けている公的事業の報告書取りまとめ・次年度計画の策定等
→ 学会発表が重なる時期です。

→ 公的事業の多くは3月中に成果報告・会計報告を行います。必要に応じて評価ヒアリングへの出席を行います。複数年事業の場合は次年度以降の計画書の作成・提出とステージゲート審査への対応などを行うことがあります。

他、役職や立場に応じて教授会など学内委員会への出席などがあります。
国のプロジェクトへの参画や学会運営等への関わりが強い場合はその対応も年間を通じて行います。

研究室に配属する学生数・担当する授業のコマ数によって忙しさも大きく変わります。
(国立大学/私立大学で傾向は変わります)

11月~2月ごろに補正予算が公募される場合、公的事業の申請を行うケースが出てきます。(企業が主体的に申請を行う場合も共同研究者であれば申請書に携わる必要があります。)

12-2月、4-5月が特に忙しくなるケースが見受けられます。また、企業との共同研究を多数行っている研究者では、2-4月に共同研究成果の取りまとめと次年度の研究テーマの策定に多くの労力を要します。