発明の名称 | 強磁性細線素子 |
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技術分野 | ものづくり, ナノテクノロジー |
出願日 | 平成18年11月2日 |
出願番号 | 特願2006-298840 |
公開番号 | 特開2008-117893 |
登録番号 | |
出願人 | 国立大学法人 電気通信大学,国立大学法人京都大学 |
発明者 |
仲谷 栄伸
小野 輝男 |
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概要 | 【要約】 【課題】磁性細線中に現れる磁壁の磁気モーメント(磁化)を利用した強磁性細線素子を提供する。 【解決手段】磁壁中心部での磁気モーメントが細線の長軸方向に対して直角方向を向いた磁壁を内部に有する強磁性細線を用いる。反強磁性体などの磁壁固定手段を用いることにより磁壁が細線内を移動しないように該磁壁を固定しつつ直流電流を供給すると、磁壁は移動することなくその磁気モーメントが回転する。これにより、磁気モーメントの回転をTMR素子などで検出することが可能となる。この強磁性細線素子の構成を用いてマイクロ波発振器や磁気メモリを直ちに得ることも可能である。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 強磁性細線に含まれる磁壁の磁気モーメントの向きを利用する素子であって、 a)磁壁中心部での磁気モーメントが細線の長軸方向に対して直角方向を向いた磁壁を内部に有する強磁性細線と、 b)前記強磁性細線の長軸方向に直流電流を供給する電流供給手段と、 c)前記電流供給手段によって電流が供給された際に前記磁壁が前記強磁性細線内を移動しないように該磁壁を固定する磁壁固定手段と、 d)前記磁壁内の磁気モーメントの向きを読み出す磁化読出手段と、 を備えることを特徴とする強磁性細線素子。 【請求項2】 前記磁壁固定手段が、前記強磁性細線の軸方向の両端部に設けられ、それぞれ磁気モーメントの向きが該強磁性細線の軸方向と平行であって且つ互いの磁気モーメントが反対の方向を向いている強磁性体である請求項1に記載の強磁性細線素子。 【請求項3】 前記磁壁固定手段が、磁壁を挟む両側の磁気モーメントが互いに異なる方向を向くように、該強磁性細線の軸方向に沿って磁壁の両側に設けられた反強磁性体である請求項1に記載の強磁性細線素子。 【請求項4】 前記磁化読出手段が、前記強磁性細線の磁壁が存在する領域を含んで構成されたTMR素子である請求項1~3のいずれかに記載の強磁性細線素子。 【請求項5】 強磁性細線に含まれる磁壁の磁気モーメントを利用するマイクロ波発振器であって、 磁壁中心部での磁気モーメントが細線の長軸方向に対して直角方向を向いた磁壁を内部に有する強磁性細線と、 前記強磁性細線の長軸方向に直流電流を供給する電流供給手段と、 前記電流供給手段によって電流が供給された際に前記磁壁が前記強磁性細線内を移動しないように該磁壁を固定する磁壁固定手段と、 前記磁壁における磁気モーメントの回転を検出する回転検出手段と、 を備えることを特徴とするマイクロ波発振器。 【請求項6】 前記強磁性細線は、断面の縦横比が1:1.1以内であって、且つ該断面の幅が20nm以下であることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ波発振器。 【請求項7】 前記磁壁固定手段が、前記強磁性細線の軸方向の両端部に設けられ、それぞれ磁気モーメントの向きが該強磁性細線の軸方向と平行であって且つ互いの磁気モーメントが反対の方向を向いている強磁性体である請求項5又は6に記載のマイクロ波発振器。 【請求項8】 前記磁壁固定手段が、磁壁を挟む両側の磁気モーメントが互いに異なる方向を向くように、該強磁性細線の軸方向に沿って磁壁の両側に設けられた反強磁性体である請求項5又は6に記載のマイクロ波発振器。 【請求項9】 前記回転検出手段が、前記強磁性細線の磁壁が存在する領域を含んで構成されたTMR素子である請求項5~8のいずれかに記載のマイクロ波発振器。 【請求項10】 前記強磁性細線の材料がパーマロイである請求項5~9のいずれかに記載のマイクロ波発振器。 【請求項11】 磁壁中心部での磁気モーメントが細線の長軸方向に対して直角方向を向く磁壁を内部に有する強磁性細線の長軸方向に、前記磁壁が前記強磁性細線内で移動しないように該磁壁を固定しつつ直流電流を供給することにより、前記磁壁における磁気モーメントを長軸の軸中心に回転させ、該磁気モーメントの回転によるマイクロ波を取り出すマイクロ波生成方法。 (以下、詳細は特許公報をご参照ください) |
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